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地方衛生研究所の危機管理と関係機関連携
(IASR Vol. 47 p109-110: 2026年6月号)
法的位置付けの明確化や, それにともなう機能強化の結果, 地衛研で病原体検査に従事する職員数はCOVID-19パンデミック以前と比較して増加しており(図), ほとんどの地衛研において, 健康危機対処計画が策定され, 実践型訓練も積極的に実施されている。地衛研で実施される病原体検査の情報は, 自治体の本庁や保健所等と共有されるとともに, 中央感染症情報センター(JIHS内に設置)に報告されるため4), 地衛研の機能強化は, 国の病原体サーベイランスの強化に直結している。また, 地衛研での行政検査の過程で, 流行時に採取された検体や分離・同定された病原体株が長期間保管されることも, 感染対策上極めて重要である。
地衛研は, 地域および広域の健康危機管理における科学的・技術的中核機関と位置付けられ, 感染症危機においては, 原因解明とまん延防止等に従事する。2014~2016年に西アフリカでエボラ出血熱の大規模流行があった際に, 地衛研の多くがP3安全実験室を保有することから, 感染研に加えて地衛研での検査体制の整備が想定されていた9)。また, NBCテロ〔核(nuclear)・生物(biological)・化学(chemical)によるテロ〕の際にも, 警察や保健所から地衛研に原因物質の検査・分析を依頼される場合がある10)。このように, 地衛研の設備や専門人材は健康危機対応において不可欠であり, 法律上の位置付けも明確にされたことから, 地衛研の役割や関係機関との連携は今後ますます重要になると考えられる。